• 先天性食道閉鎖症の育児ブログ

    きのうは幼稚園で敬老の集いがありました。
    園児のおじいちゃんおばあちゃんを呼んで、日頃の感謝を伝える会です。
    園児の保護者も参加していいのですが、私はちびたんに例のごとく「来ないで」と言われ、ひとりお留守番をすることに。
    ここからの話は、夫が書きました。

     

    ………………
    台風が近づいているようだったが、かろうじて雨は降らず助かった。ちびたんは幼稚園まで抱っこで行きたがるから、抱っこをするほうとしては雨が降ると傘も持たねばならず、大変だからだ。だんだん腕が痛くなっていくのを感じながら、いつもの道をせっせと歩いていくと、突然ちびたんが言う。
    「生まれる前のこと覚えてるよ」
    いきなりすぎて驚いたが、すごく興味が湧いた。ちびたんの気がそれないように、丁寧に質問を重ねていくと、どうやらこういうことらしかった。
    ちびたんは生まれる前、飛行機であちこちを飛び回っていた。そして、その窓から外を見渡すと、色々な似顔絵があったという。そのなかにあった、顔を選んだら、ママのおなかに移動していたと。その選んだ顔というのが、ママとパパ。なぜ選んだのか、その理由はやさしそうだったから、そして私の世話をしてくれそうだったから。
    信じがたいようだったが、本人がよどみなく話すので、本当なのかもしれないと思った。そして選んでくれた理由に泣けてきた。
    ………………
    遊戯室には、大勢のおじいちゃんおばちゃんが既にパイプ椅子に座っていた。ちびたんたちの年少組は最後に入場。入場前に「ひとりで行けそう?」と聞くと、泣きそうになりながら首を振るので、手をつないで一緒に入ることに。
    会が始まると、園長先生の話もそこそこに、早速年少さんから歌の披露が始まる。風邪や都合で出席できなかった園児も多くいて、年少さんは全員で10人程度。おじいちゃんおばあちゃんの前に出て、横一列に整列するらしかった。さすがにここは集団行動させたほうがいいかなと思い、ちびたんの手を離す。「え〜ん」と小さな声で軽く泣いたが、先生がすかさずサポート。手を引いて、列に合流させる。向き合うおじいちゃんおばあちゃんと園児たち。その絵はまさに“少子高齢化”そのものだった。歌は二曲。ちびたんはときおり「パパー」と周囲を見渡し、半べそになっていた。そのたびに、おじいちゃんおばあちゃんの後ろに移動したパパは、手を振って応える。先生も「ほら、パパ、あそこにいるよ。大丈夫だよ」と励ます。結局、歌わずじまいだったが、それでもとりあえず整列し、落ち着いて着席していられたのでOK。レベルは低いが、今のちびたんには上出来だったと前向きに捉えた。
    ………………
    会が終わると、園児たちは教室に戻った。しばらくして、おじいちゃんおあばちゃんたちも合流して、一緒に遊んだり、見守ったりの時間が続く。
    「ねむ〜い」
    どれぐらい経った頃か、ちびたんがそう言った。たしかにややぐったりした様子で、おでこに手をあてると熱っぽい。ただねむいだけかなと思ったかと思ったが、念のため熱を測ったほうがいいと思い、担任の先生に報告し、職員室へむかった。結果、熱はなし。とりあえずよかった。そのあとは、教室で多少は遊んだものの、ちびたんはパパと並んで座ったり、パパのひざに頭をのせて横になっているような状態だった。ほかの子も慣れない会があったせいか、それとも本来なら休みだからか、疲れて泣き出してしまった。しかし、ちびたんの大地をつんざくような大声と違い、かわいいものである。
    ………………
    園を出ると、ママと合流した。いつものように甘える相手が少ないとがんばるのか、珍しくママと会うまでは歩き続けた。ちいさな発見や成長は感じられたが、なにがあった、という一日ではない。でも、なにもないのは、なによりの幸せである。

     

     

     

    ママとパパを選んできてくれたこと、とっても嬉しかったです。
    どこまで本当か分からないけれどね(笑)。
    夫は私よりずっと落ち着いてちびたんに話しかけるから、ちびたんもちゃんとお話できたのかも。
    直接、ちびたんの口から聞いてみたかったなぁ。
    夫がうらやましい!!

     

     

    <お知らせ>

    ↓順不同ですが、食事風景動画を再生リストにしました。

    食道閉鎖の幼子を抱えて心配な方が、ちびたんの食事風景を観てくださって少しでも明るい気持ちになれたらと思います。

    先天性食道閉鎖症の食事風景動画 再生リスト

    詰まらせることが多かった赤ちゃん時代の動画はありませんが…。

    全部食べられているようにみえますが、ごっくんできないものもたくさんあります。

    動画にする都合上、ごっくんできなかったものをぺっぺするところはカットしています。

     

    *はじめてこのサイトを訪れてくださった方にも情報を共有したいので、何度も動画のお知らせをさせていただいています。ご了承ください。

     


    コメント一覧

    返信2017年9月19日 7:19 PM

    ロコママ24/

    秋が深まってきていますね。 ちびたんの、『ママのお腹にくるまでのお話し』素敵です(o^^o)♪ 飛行機、似顔絵、優しそうなパパとママ、私のお世話をしてくれそう……とてもしっかりしたストーリー、きっと作り話ではなく、記憶のどこかに、そんなイメージがあって、今回パパにお話ししたくなったのでしょうね(o^^o)♪ 『……お世話……』に関しては、ちびたんが、自分の病気を悟っていたような印象すら受けますね(゚o゚; 胎内や出産時の記憶がある子どもは、結構たくさんいるそうです。記憶力と表現力のバランスで、多くの子どもはそれを語ることなく、忘れてしまうそうです。ちびたんのお話し、しっかり記録に残せて良かったですね(*・з・*) 息子の手術は、キリスト教系の病院で受けました。最初の手術の退院時に、聖書をいただきました。その裏表紙に『産まれてすぐに、大きな病気と闘う試練を受けた〇〇君……深いルーツを持って産まれた君は、より深い人生を歩むことでしょう……』というメッセージが書かれていました。 大人としての息子の人生は、いよいよこれから。地に足をつけて、しっかり歩んでいってほしいと願っています。 ここに至るまでに何度も、息子の病気のことで心を痛めました。特に、進路(医師を目指していた)や、健康に対する心配は、病気と切り離すことはできず(T ^ T) もうそろそろ、私の方が、息子の病気から卒業しないといけないようです( p_q) 秋の虫の声が聞こえる中、少し感傷的な気分になってしまいました(^^;; 人恋しい秋、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、そして食欲の秋(*゚∀゚*) ちびたんの、充実した2学期を応援しています...♪*゚

      返信2017年9月19日 9:22 PM

      usankomami24/

      ロコママさん!コメントありがとうございます。 ロコママさんの息子さんへの思いに、ジーンとしちゃいました。 裏表紙の言葉、素敵ですね。 息子さんの病気から卒業するかぁ。そうですよね、そういうときがくるんですよね。 私は病気だったからということで、ちびたんの世話をし過ぎちゃうところがあります。 少し風邪を引いても、すぐにお薬を飲ませてしまいます。 食事中に咳こんで、詰まらせてはいけないと心配になっちゃうんですよね。 鼻が詰まっていると、食べにくそうですし…。 幼稚園の先生には、相当過保護な親に見えるようです。 ちびたんは身体も小さくて、まだたくさん歩ける体力も無く、そのうえ慎重な性格なんです。 私が神経質になり過ぎだとも思うんですが、どうしても甘やかすというか手助けしちゃいます。 絶対に受けなきゃいけない治療や検査で、頑張る姿をみているので、いざというときは 頑張れる子だって思うと、幼稚園の一連のことはそんなに無理しなくてもいいかなという 甘い考えが私自身にあるんですよね…。 悩み中です。

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